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メンタルヘルス

摂食障害が与える身体への影響

拒食症

拒食症の場合は、当たり前ですが身体的な影響が目立ちます。

低体重になる事は死に直結します。
私自身も160センチ29キロだったので、本当にギリギリだったと思います。
心臓を動かす事が疲れると感じる事もありました。
また、体重の減量ペースが早い事も危険です。

過食嘔吐の人の場合は、嘔吐や下剤乱用により、血中の電解質(ナトリウム・カリウム)のバランスが崩れる為、心臓に直接影響を与え、突然死の危険がさらに高くなります。

無月経

摂食障害(とくに拒食症)の人はほとんどが無月経になっていると思いますが、これは決して将来子供がうめるか、うめないかといった事を問題にしているのではありません。
何が問題なのかというと、骨密度が極端に低下することです。
(だから私も尾骨が簡単に折れたんだろうね~)
目安として1年以上の無月経が続くと、骨への影響は長期にわたると言われています。
拒食症が治ったからといって、骨の密度があがるわけではありません。
なので治ってから後悔する人が多いのです。

なお、人工的に薬を使って生理をこさせたとしても、骨への効果がないことがわかっています。

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他にも、

  • 脳の委縮
  • コレステロール値が高まる
  • 肝臓の機能が低下する

などの身体への影響があります。

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拒食症で入院した患者さんの死亡率が10パーセントを超えたという報告があります。
死因は「飢餓」「自殺」「電解質バランスの異常」でした。

さらに、過食を伴う拒食症の場合は以下の問題も抱える事となります。

過食症

過食症の場合、味がほとんど分からず食べているので、甘みの感覚も狂って来ています。
なので甘いものに依存した場合、糖尿病にもなり兼ねません。

嘔吐を伴う場合・・・

  • 血中の電解質バランスが崩れます。
  • 嘔吐で歯を溶かしてしまいます。
  • 過食嘔吐を続けることによって顎のエラが張ってきます。
  • 顔が大きくなります。

また、嘔吐している間に窒息死する場合もあります。

過食症の場合は、拒食症と比べ、気分の落ち込みが激しい為、引きこもりがちになります。
一日中部屋にこもって過食と嘔吐を繰り返す人も珍しくありません。
また、過食や過食嘔吐は夜中に行われる事が多いので、昼夜逆転してしまいます。

食費

私は非嘔吐でしたが、それでも過食費というのはバカになりませんでした。
おそらく、嘔吐をしている人は、過食費が私の何倍もかかっていらっしゃるかと思います。
嘔吐の後、「一生懸命働いたお金がトイレに流れていく」と嘆いている人も私は目にしてきました。
平均で10万前後というデータもあります。
借金をかかえてまで過食嘔吐をする人もいます。
普通なら、そんなバカな!と思うかもしれませんが、これが「依存症」の怖さなのです。

物理的な問題では、嘔吐の場合はトイレの悪臭や、吐いたものでトイレが詰まるといった問題もあります。
当たり前のことですが、これらの身体的に及ぼす影響をご本人に伝えたところで、「もうやめます」なんて事にはなりません。
身体に悪い影響がある事を実感しているのは他の誰でもない本人です

中には、過食や過食嘔吐が、生きる唯一の楽しみにもなっている場合もあるのです。
煙草やシンナーと同じです。
周りがいくら「身体に悪いから」と言ったところで、本人にとってはそれをやる事で、なんらか自分にプラスになっているから手放せないわけで、苦しんでいるのです。