カテゴリー
メンタルヘルス

摂食障害とジェンダー(1)選ばれる女と選ぶ男

この病気について調べていると、必ずといって良いほどジェンダーとの絡みが入ってきます。摂食障害の患者さんの殆どが「痩せてきれいになりたい」という想いからダイエットが始まるからです。 (私も治る段階でこの気持ちが出て来たのでやっかいだったんですけど。。。)
「痩せてきれいになりたい」という気持ちは病気ではありません。 むしろ、ないほうが異常かも。(しかし拒食症の人には、気持ち悪くなりたい人もいます。)

だってね、これだけTVや雑誌、ネットの広告、あらゆるところで「●●で-5キロ!!」「痩せてきれいに!!」と騒がれていたら・・・ねぇ?苦笑
私は治っていく過程で、もうダイエットの文字を見ることすら嫌で、見ると気持ち悪くなりました。 しかし外を歩けばダイエットの文字を見ない日はないし、ネットをやってたらダイエットの広告やニュースが目に入る。
もうっもうっもうもうもうッ!!! 嫌ぁあああああ!!! 発狂。 
そんくらいダイエットをさせようとしている現代社会なのです。

では質問です。

ターゲットって誰ですか?

ほとんどが若い女性ですよね。 そうなんです。これは「女性は痩せている方がいい」という社会的価値観に基づいています。
でも男性だって引き締まった身体の方がいいに決まってますよね~。 じゃあなぜ、女性ばかりがターゲットになり、そして女性はそれに応えようとするのか。 何がそうさせているのか。。。

はっきり言いましょう。
それは女性の方が外見を重視されるからです。
男性の場合、仕事が出来れば容姿に対して触れられることはほとんどがありません。 ですが、女性の場合は仕事が出来ても容姿が微妙であれば「仕事は出来るのに・・・」などと言われるパターンが多い事が現実にあげられています。

もちろん、その代わり女性は仕事に対してあまり重視されません。
女性は容姿が良ければ仕事が出来なくても「かわいい」とか「女性だし~」だとかで案外許してくれます。 これが男性だとそうはいきません。「かっこばっかりつけて中身がない」などと言われてしまいます。

◆では、この差はどこから?

ジェンダー1

1つ目にあげられる理由としては、男性は自らが社会の中での地位を築くのに対し、女性は男性との関わりを通して社会の中での地位を築いてきたという歴史でしょう。
つまり、男性は自らが社長になったり課長になったりしますが、女性は男性と結婚する事で「社長夫人」「課長夫人」というアイデンティティを手にしてきたワケです。
「何ができるか」ではなく「誰に選ばれるか」が重要だったということです。
その証に、プロポーズは男性からするものが当たり前だという昔からの考えがありますよね。
女性は「選ばれる性」で、男性は「選ぶ性」だったわけです。
選ばれる為には、どうしても外見は判断材料になってきます。
男性の中では「美しい女性」といる事を、まるで「美しい装備品」をつけているかのように考えている人もいるくらいです。
こういった歴史の背景から、女性は外見を自然と重視されるようになったのでしょう。