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脳科学・大脳生理学・ホルモン

ストレスホルモン「コルチゾール」

最も代表的なストレスホルモンであるコルチゾールのお話です。

◆コルチゾールってなに?
副腎(腎臓の上にある臓器)で作られるホルモンです。
下垂体から分泌されている副腎皮質刺激ホルモン(ATCH)が、コルチゾールの量をコントロールしています。

肉体的、精神的なストレスがかかると、放出され、ストレスと戦い、免疫力を上げてくれたりと、とても重要な働きをしてくれています。

しかし、非常に敏感で、頻繁にストレスにさらされて、コルチゾール値が慢性的に高い状態になってしまうと、以下のような症状が出てきます。

◆コルチゾールの悪影響とは?

食欲の増進、甲状腺ホルモンの分泌低下、筋肉量の低下、骨量の低下、体温の低下、睡眠障害、慢性的倦怠感、浮腫み、腹部、顔を中心に脂肪が蓄積・・・などなど

これらは全て太る要因となります。

★甲状腺ホルモンの分泌低下 ⇒代謝の低下

★筋肉量の低下 ⇒代謝の低下

★骨量の低下 ⇒骨と筋肉が減るので除脂肪体重(脂肪を除いた体重)が低下。⇒体脂肪率UP
詳しくはカルシウム黒豆の記事

★体温の低下 ⇒代謝の低下(1℃低下につき12%低下)
その他人間の体温は、1℃低下しただけで免疫力も37%も低下します

★睡眠障害 ⇒成長ホルモンが分泌されない。⇒脂肪がたまりやすくなる
※成長ホルモンとは、脂肪分解作用のあるホルモンであり、睡眠中に分泌される

★慢性的倦怠感 ⇒日常生活の活動量が低下

浮腫みは見た目が太って見えるし、血液循環も悪くなるのでデトックスが出来ない。
つまり老廃物を溜め込んでしまうよね。

そして腹部、顔を中心に脂肪が蓄積するのはクッシング症候群のような理論らしい。

何よりよろしくないのがコレ↓

セロトニンドーパミンなどの神経伝達物質の合成が低下
  ↓
満腹感が得られないので食べ過ぎる
  ↓
 太る
  ↓
またそれがストレス → コルチゾール増の悪循環

また、セロトニンは幸せホルモンです。
詳しい事はこちらの記事で説明しましたが、セロトニン不足(または察知が鈍い)と・・・
  ↓
を招く
  ↓
またそれがストレス → コルチゾール増の悪循環

他にも、コルチゾールを増やす原因になるものは、

煙草、カフェイン、飲酒、夜更かし、人工甘味料、食品添加物、などなど。

◆コルチゾールを上手にコントロールしよう

じゃあさ、このコルチゾールは悪いやつなの?やっつけなきゃいけないの?って話なんだけど、

そうじゃなく、よく「適度なストレスは必要だ」とかいうよね?

つまり、人間にとって「適度」なコルチゾールが出ている状態というのが健康なんだと思うの。

中には「私、ストレス感じません」っていう人いるけど、

それって自分で気付いていないだけで上手にコルチゾールをコントロール出来ている人なんじゃないかな~

例えば、

泣く!!

実はこのコルチゾールって、涙と一緒に身体の外に排出される事が解っているの。

実はね、私もこの2~3日かなり不安定な状態が続いていて、

コルチゾールがいっぱいいっぱいになってた。

そういう時って、ふとした瞬間にどばーって滝のように涙が出るんだよね汗

泣いた後はどういうワケかスッキリしてて、何がストレスだったんだろう・・・ってケロっとしてるから面白いw

他には

音楽を聞く!!

音楽を聴く事で、コルチゾールなどのストレスホルモンの値が下がる事が発見されています。

例えばエアロビクスやダンス、筋トレなども最近では音楽に合わせてやりますが、まさにそう。

こういった音楽+運動という行為は脳内のコルチゾールを下げ、セロトニンを感じやすくしてくれます。

もちろん、やり過ぎると逆です。

具体的にはボディビルなど「一時的に筋肉を壊す強度の運動」を行うと、コルチゾールの濃度が上がります。

(だからスポーツ用食品を扱うウィダー(森永製菓)からコルチゾール濃度を下げるホスファチジルセリンが出ているわけです)

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さて、ここまではよく聞く話でした。

が、今回ちょっとショックだったのは、早く手を打たないとコルチゾールが脳細胞をどんどん壊してしまう。という事・・・

確かに、元気なお婆ちゃんとかに「元気の秘訣は?」ってきくと

「ストレスをためない事!」なんて言ってるのをきくけど、本当にストレスってよくないのね。。

● ● コルチゾールが増える経路 ● ●
扁桃体が興奮する
→脳の中の視床下部がCRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)を放出
→脳下垂体がACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を放出
→副腎がコルチゾールを放出

ちなみにコルチゾールの濃度は朝が一番高く、以後徐々に下がります。

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幸せホルモン「セロトニン」

最近TVなどでもよく聞くようになった「セロトニン」

何故注目されてきているのでしょうか?
それはうつ病患者数や自殺者の数が増加していることがあげられます。

これは脳ホルモンで、人間の精神面に大きな影響与える神経伝達物質です。

では、どのようなものか見て行きましょう。

◆セロトニンとは
セロトニンとは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、感情のブレーキ(心のバランスを整える)作用のある伝達物質

★ノルアドレナリン(別名『怒りのホルモン』)
神経を興奮させる神経伝達物質
「意欲」「不安」「恐怖」といった感情・精神状態などに関わる
★ドーパミン
中枢神経系に存在する神経伝達物質
運動調節・ホルモンの調節・快感・意欲・学習などに関わる

「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」のこの体内で特に重要な役割を果たしている3つを三大神経伝達物質と呼んでいます。

◆セロトニンの原料
トリプトファンという必須アミノ酸
トリプトファンがほう線核に入ることでセロトニンが出来ます。
トリプトファンは体内では作られないため、食べて摂取するしかありません。

≪トリプトファンを多く含む食材と一日の摂取量≫
・チーズ(50g)
・牛乳、豆乳(200cc)
・卵(1個)
・ヨーグルト(200cc)
・豆腐(150g)

しかしトリプトファンだけではセロトニンにはなりません。
必要なのが「ビタミンB6
ほう線核で「ビタミンB6」と「トリプトファン」が合成され、初めてセロトニンになります。

≪ビタミンB6を多く含む食材と一日の摂取量≫
・とうがらし(1本)
・しょうが(10g)
・バナナ(1本)

「ビタミンB6」は香辛料に多く含まれていますので、これらの食材をうまく組み合わせることがポイント!!

でも
「組み合わせるのなんてめんどーだわー!!手っ取り早く一つの食材で摂れないの?」

って人いますよね?

はい。勿論ありますよ~

≪トリプトファンとビタミンB6を多く含む食材と一日の摂取量≫
・牛肉、豚豚(80g)
・魚(80g)
・レバー(50g)
※赤い部分に多いのです!!
特に魚ならマグロやカツオ、サーモンなどが当てはまりますね。

すぐに”くよくよ”したり、”イライラ”したり、
そんな人はセロトニン不足かもしれません。

セロトニンはメラトニンの元になります。
つまり、セロトニンが不足すると不眠症になります。
(このお話はまた「睡眠」コラムにて)

<プチコラム>
必須アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンは、セロトニンの原料となるトリプトファンの脳内への取り込みを阻害してしまいます。

よくスポーツドリンクなどに入っていますが、(BCAAとかね)これはセロトニンの産生を抑え、高い集中力を維持できるようにする働きを利用したものです。

特にチロシンは、脳の神経伝達物質ドーパミン、ノルアドレナリンなどカテコールアミン類の原料となるアミノ酸で、ストレス環境下での疲れ、眠気を軽減し、作業効率を上昇させます。