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記憶と思考

ルーチンスの水瓶問題

人間が問題解決する際に陥りやすい問題点として、1942年、米国の心理学者ルーチンが「心的構え」の効果を調べるために用い、認知心理学に取り入れた。

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<課題>

3つの大きさの異なる水瓶を用いて、必要な量の水を得るにはどうしたらよいか。

<解説>

・ 問題1は練習問題
・ 問題2~6は、(B-A-2C)で解ける。その結果、問題7、8でも(B-A-2C)で解こうとしがちである。しかし、問題7は(A-C)、問題8は(A+C)で解いた方がより簡単である。
・ 問題9は(A-C)で解ける。これは問題8までにできた「構え」を回復させるための問題である。それにもかかわらず、問題10、11でも再び(B-A-2C)という解決法をとってしまう。もちろん問題10は (A+C)、問題11は(A-C)で解いた方が簡単なはずである。

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行動の変容

部分強化

条件づけにおいて、どんな強化スケジュールを用いるかは、きわめて重要な課題となる。

部分強化における強化の仕方は

A:反応回数に依存したもの → 率強化スケジュール
B:時間経過に依存したもの → 時隔強化スケジュール

それぞれに規則的か不規則的かに応じ、基本的には以下の4種類あげることが出来る。

定率強化スケジュール(fixed ratio schedule:FRスケジュール)

あらかじめ定めた回数の反応をする度に1回づつ強化する。

1強化あたりに要求する反応数をFRの次に続けて表す。
つまり、連続強化の場合、「FR1」ということになる。

強化ごとに反応の休止がみられる。
反応が始まると次の強化まで休止なく反応が続けられる。

変率強化スケジュール(variable ratio schedule:VRスケジュール)

1回の強化に要求される反応数が不規則に変化する。

1強化あたりに要求する反応数の平均値をVRの次に続けて表す。

強化後の反応休止は、殆どみられない。
始終反応が続けられる。
※4つの基本スケジュールのうちで最も高頻度の反応が生じる。

定時隔強化スケジュール(fixed interval schedule:FIスケジュール)

反応数にかかわりなく、既存の時間が経過する度にその時に起こった反応を強化する。

FIの後に固定時間間隔の値を続けて表記する。

強化時間が近づくにつれて、反応頻度が上がってくる。

変時隔強化スケジュール(variable interval schedule:VIスケジュール)

ある時間が経過したときに反応が起こればそこで強化するが、この時の時間間隔は不規則に変化する。

VIに続けて、変化する時間間隔の平均値を表示する。

低頻度ではあるが、一つ一つの反応の間隔がほぼ一定である。
反応パターンに変動が少ない。
持続定な定常状態を保てる。

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動機づけ

ハーズバーグの二要因理論

ハーズバーグの二要因理論ハーズバーグの二要因理論とは、臨界事例法を用いて仕事満足調査を行い導き出された、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論」のことである。
この理論では、満足と不満足とが同一の次元にあるのではなく、それぞれが別個の次元をなしていると考える。
ハーズバーグは、仕事に対する満足をもたらす要因を「動機づけ要因(モティベータ)」と呼び、不満をもたらす要因を「衛生要因(ハイジーン・ファクター)」と呼んだ。

動機づけ・衛生要因説

動機づけ要因は、それが充足された場合には満足感をもたらすが、充足されない場合でもとりたてて不満足をもたらさない。また、衛生要因は、充足されない場合には不満足を引き起こすが、充足されたからといって別段の満足感をもたらすことのない要因である。

動機づけ要因
(モティベータ)
衛生要因
(ハイジーン・ファクター)
主たる要因 仕事上での達成や責任、承認、仕事それ自体
主に仕事の内容にかかわるもの
会社の行う政策・管理、監督技術、給与、上司との対人関係、作業環境
主に仕事の環境にかかわるもの
充足時 満足 不満足ではない
不充足時 満足ではない 不満足
ハーズバーグらの動機づけ、衛生要因説は、動機づけを直接に扱ったものではないが、動機づけに関係する仕事満足の理論として注目された。
How do you motivate your employees ?(邦題 モチベーションとは何か)という論文としてハーバード・ビジネス・レビュー誌において 100 万部以上リプリントされた実績があり、いまだ実務家にとってのモチベーション・マネジメントにおけるバイブルという位置づけにあると言っても過言ではない。
学術の分野においても、ハーズバーグの職務満足に関する調査とそれに基づいて体系化された、この二要因理論は、やる気についての一面の真理を捉える動機付け理論として確立されていると評され続けている。
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動機づけ

フロイトの精神分析理論に由来する防衛機制

フラストレーションによって引き起こされる反応のひとつ。

防衛機制の例

逃避 不安をもたらす状況から、なんらかの方法で逃れようとする。
抑圧 不安をもたらすおそれのある欲求や感情を自ら否定し、無意識の中に押し込めてしまう。
投射 自分の持っている欲求や感情を、自分のものとして受容することができず、無意識のうちに他人に転嫁して他人の責任としてしまう。
合理化 自分のとった行動を正当化するために、もっともらしい理由づけをする。
置き換え 抑圧された欲求や感情が、本来の対象とは別の代理的な対象に置き換えられる。
反動形成 欲求や感情がそのまま行動にあらわれると、社会的に避難されたり、受容を拒否されたりする恐れがある場合、その欲求を抑圧して、それと正反対の行動をとる。
防衛的攻撃 不安やおそれに基づいて積極的な攻撃行動に出る。攻撃が防衛の意味を持つ。

防衛機制にはこの他にも、取り入れ・固着・退行などがある。

すっぱい葡萄

すっぱい葡萄

あらすじ

キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。

解説

手に入れたくてたまらないのに、人・物・地位・階級など、努力しても手が届かない対象がある場合、その対象を価値がない・低級で自分にふさわしくないものとみてあきらめ、心の平安を得る。フロイトの心理学では防衛機制・合理化の例とする。また、英語圏で「Sour Grapes」は「負け惜しみ」を意味する熟語である。

(wikiより抜粋)「すっぱい葡萄」(すっぱいぶどう)はイソップ寓話の一つ。「狐と葡萄」ともいう。

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動機づけ

アトキンソンの達成動機

個人の達成動機に関する理論的研究の展開

達成的行動があらわれる状況下 成功へ近づこうとする動機づけ 失敗を避けようとする動機づけ
接近動機づけ 回避動機づけ
f(Ms × Ps × Is)

Ms:個人の達成動機の強さ
Ps:成功の主観的確率
Is:成功時に経験する満足の強さ

f(Mf × Pf × If)

Mf:個人の回避動機の強さ
Pf:失敗の主観的確率
If:失敗時に経験する不快の強さ

アトキンソンの達成動機
この公式にあてはめて考えると、失敗を避けようとするよりも成功へ近づこうとする傾向の方が強い人の場合には、成功失敗の見込みがちょうど五分五分の課題(中程度の困難さをもつ課題)の時に、行動への動機づけは最大となる。(右表5-3)
成功の見込みが高ければ、成功しても満足感は低いであろうし、逆に成功の見込みが低ければ成功時の満足感は高い。したがってIsは[1 - Ps]であらわすことが出来る。Msを一定とした場合、接近動機づけの理論値を計算すると、Psが0.5のとき動機づけは最大値をとる。
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動機づけ

マレーの欲求リスト

※太文字は顕在的欲求

屈従
(自己卑下)
abasement 罪悪の承服・自己卑下の欲求
他者の影響力や外部の環境要因に敢えて抵抗せずに不利益な状況を受け入れ、自分の敗北や劣等性、弱さを自己呈示したいとする欲求。自己批判や自己否定の認知に根ざした行動を選択して、所与の運命を受け入れて自己の弱さを認めることで、能動的な人生や意欲的な生活を全て諦めてしまうこと。間接的に他者の支援や助力、同情を期待している場合もある。
成就
(達成)
achievement 困難を効果的・効率的・速やかに成し遂げる欲求
自分の設定した目標や帰属集団(企業・学校)から与えられた難易度のある課題を、一定の水準以上で達成したいとする欲求。他者との競争に打ち勝ち、自己の能力や人格を陶冶して、ヒト・モノ・経済に一定の影響力を行使できるようになり、困難な課題や高い目標を達成すること。
親和* affiliation 他者と交際し、仲良くなる欲求
自分の価値や存在を承認してくれる集団に所属したり、自分に好意や安心を与えてくれる他者と一緒にいたいという欲求。互恵的な利益関係を取り結び、親和欲求や安全欲求を相互に満たしあうこと。
攻撃 aggression 他人に対して軽視・嘲笑・傷害・攻撃する欲求
自分に危害を加え、欲求充足を阻害し、敵対的行動を取る相手(敵)を攻撃してダメージを与え、自分に屈服させたり被害損失を軽減させたいとする欲求。防衛的な攻撃欲求と主張的な攻撃欲求、犯罪的・病的な攻撃欲求などを想定することが出来る。
自律 autonomy 他人の影響・支配に抵抗し、独立する欲求
社会的義務や職業上の責任、伝統的慣習から自由になって、強制や束縛、拘束を受けずに自分の行動や判断を独立的(自律的)に行いたいとする欲求。外部の他者・集団・制度・伝統などによる自己の行動の決定や制限に反抗して、自分の事柄は自分で決めたいとする自律的環境の整備への欲求。
反作用 counteraction 名誉を守りたいという欲求
過去の行動から出たマイナスの悪い結果を反転させようとする行動を反作用という。自分の失敗を克服し、名誉を挽回し、弱点を補強することで自尊心や自己効力感を取り戻そうとする欲求。
恭順
(服従)
deference 上位者に従い、使えたいという欲求
階層的秩序のある集団において、自分より上位にいる上司・上官・優位者を賞賛して無条件で支持すると同時に、その命令や指示に従属することで安全欲求やアイデンティティを守ろうとする欲求。強大な勢力を誇る有力者の影響下に入って、服従的な態度を示すことで『栄光浴』の効果を得たいとする『寄らば大樹の陰・長きものには巻かれろ』の欲求。
防衛 defendance 自分を正当化したいという欲求
自分に危害や損失を与えようとする敵意ある相手から自分を守りたいとする欲求。自己の正当性と安全性を担保する為に、攻撃や非難、中傷から自分を守る欲求だけではなく、失敗や屈辱、犯罪といった自分の落ち度を隠蔽しようとする欲求も含む。
支配 dominance 他者をコントロールし、統率する欲求
他者・集団・環境を自分の思い通りに統制して支配したいとする根本的動機によって駆動される欲求で、命令・指示・誘惑・説得などの手段を用いて他者をコントロールすることで優越感を実感する。成績・実績・能力・地位などによる相対的な優劣の尺度を用いて、自分の優位性を確認したいとする欲求。
10 顕示
(露出)
exhibition 他者の注意をひきたいという欲求
他者に自己の存在や行動を見られたい、注目されたいという欲求だが、その根底には、他者の驚きや興奮の反応を見て、他者の感情的興奮や快楽的反応と同一化したいとする無意識的願望がある。単純に、他者を喜ばせたり興奮させたり驚かせてショックを与えて、自己の価値や存在を認めてもらいたいという露出の欲求もある。
11 傷害回避 harmavoidance 痛みを回避する欲求
危機的な状況・病気や怪我による苦痛を回避したいとする欲求。身体的な病気や障害、精神的な疾患や苦悩、病気や事故による死亡などを回避する為に事前に何らかの対処や予防、抑止の行動を取ること。
12 屈辱回避
(恥辱の回避)
infavoidance 失敗を回避し、弱みを隠す欲求
自分の自尊心を低下させるような他者の行動や発現の影響を回避しようとする欲求。具体的には、嘲笑・侮辱・無礼・揶揄・愚弄・無関心などの言動を他者から取られないようにしたいとする回避欲求で、消極的な行動や自己呈示の抑制へつながる。
13 不可侵 inviolacy 侵されることなく、自尊心を失わないようにし、”よい評判”を維持しようとする要求
他者が踏み込めない自分だけのプライベートな物理的・心理的領域を確保しておきたいとする欲求で、誰にも構われず干渉されずに放っておかれるプライバシーの権利に近いものである。人間は他者とのコミュニケーションによって自尊心やアイデンティティを維持する一方で、他者が関われない不可侵のプライバシーを持つことで精神的な安定感や充実感を持つことが出来る。
14 養護 nurturance 困っている人を助けたいという欲求
15 秩序 order 整理、組織化し、正確である欲求
16 遊戯 play 楽しみ、リラックスする欲求
実利的な意図や客観的な目的を意識せずに、ストレス発散や知的好奇心、親和欲求に基づいて自由に遊びたいという欲求。社会的義務や経済的責任とは無関係な気楽なゲームや遊びで楽しんで、リラックスした雰囲気と娯楽的な喜びを味わいたいとする欲求。
17 排斥
(拒絶)
rejection 他者を排除したいという欲求
自分に危害や損失を加えてくる敵対的な他者と一定の距離を置いて拒絶したい欲求。自分が必要とせず利益にならない相手との関係を拒絶しようとする冷淡な態度や集団社会から他者を拒絶しようとする排他的な振る舞い(いじめの衝動)。
18 隠遁 seclusion
19 感性 sentience 感覚的な印象を楽しむ欲求
20 sex 性的な関係を構築し、そこから快楽を得る欲求
21 求護
(養育的依存)
succorance 保護や同情を得たいという欲求
子供時代に両親が無条件で自分の存在を認めてくれて、高く評価してくれたように、他者から無条件の支持や献身的な協力を得て、無償の愛情や信頼の感情を注がれたいとする欲求。一般的には、『他者に甘えたい欲求』として認識され、いつも見守っていて欲しい、ずっと一緒にいて欲しい、絶対に裏切らずに愛し続けて欲しいなどの言葉で表現される。
22 優越 superiority 優位に立つ欲求。達成と承認の合成。
23 理解 understanding 分析、経験し、知恵を得る欲求
世界や人間、精神、他者、自然界などをより正確かつ詳細に理解したいという欲求で、実践的(実利的)な知識や技能を求める場合と教養的(娯楽的)な知識や情報を求める場合とがある。事象を一般的に解き明かす科学的理論と問題を個別的に解き明かす実践的理論を求める欲求。
24 獲得 acquisition 財産を得る欲求
25 非難回避 blamavoidance ルールに従う欲求
26 認識 cognizance 探索し、質問し、好奇心を満足させる要求
27 構成 construction なにかを創造し、構築する欲求
28 説明 exposition 情報を提供し、教育したいという欲求
29 承認 recognition 認められ、ステータスを得る欲求
30 保持 retention 財物を持ち続ける、貯蔵する、消費を最小化する欲求

マレー(Murray,1938)

マレーによれば、人間の行動は上記リストの欲求を充足させる過程として捉えられる。
マレーはさらに、社会生活を通じて獲得される動機として、6つの側面から20種類以上の動機をあげている。
人間の行動を欲求で説明し、欲求から予測するには、人間の行動とは独立に、欲求の種類とその強度を測定できなければならない。
マレーは欲求リストの作成にあたり、1935年、Morganと共同で「課題統覚検査」(thematicapperception test:TAT)とよばれる方法を開発した。TATは、心理検査における投影法(projection techniques)または,投影検査法(projection tests)の1つである。

社会心理学 ―シャクターによる親和*欲求の実験

親和欲求とは、他人と友好的な関係をつくりあげ、維持しようとする欲求であり、マレーのリストの中ではよく知られた欲求の一つである。
アメリカのシャクターという心理学者が親和欲求について以下のような実験をした。

シャクターによる親和欲求の実験

女子学生を被験者として、電気ショックを用いた実験への参加を要請した。
つまり、「人は強い恐怖におそわれたとき、誰かと一緒にいたいと願うのか否か」を調べた。
シャクターの実験では、高い不安にさらされた被験者たちは、実験が始まるまで他の被験者たちと一緒に同じ部屋で待つことを望んだ。
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動機づけ

マクドゥーガルの本能リスト

生活体の行動を引き起こす力としては、古くから本能が考えられてきた。
ウィリアム・マクドゥーガル(William McDougall)は、人間の行動を14の本能によって説明しようとした。

本能の種類 (随伴する情緒)
逃避 (恐怖)
闘争 (怒り)
拒否 (嫌悪)
哺育 (慈愛)
求援 (絶望)
求偶 (快楽)
好奇 (好奇心)
服従 (卑下感)
自己主張 (優越感)
10 社会・群居 (孤独感)
11 求食 (食欲)
12 所有 (所有欲)
13 構成 (構成欲)
14 笑い (娯楽心)

ウィリアム・マクドゥーガル(1871 – 1938)

マクドゥーガル
マクドゥーガルは20世紀初頭に本能説を主張し、社会心理学に大きな影響を与えた、英国,米国の心理学者である。
マクドゥーガルによれば、人間の行動の原因は学習よりも本能が先立つとして、本能は遺伝的、生得的なものであるとした。
しかし、生得的で固定的な概念としての本能によってすべての行動を説明しようとする場合、学習や環境の要因に基づく行動の変容を十分に説明することができず、本能概念はしだいにすたれていった。
また、ある行動に対応する本能を同定していくと、行動の数だけ本能の種類も増やしていかなければならず、単なる同義語反復(トートロジー)に陥ってしまうのではないかと批判された。

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動機づけ

実験神経症

実験神経症

弁別困難な2刺激を用いて分化条件づけを強いた場合に見られる異常な混乱状態の事。
パブロフのイヌにおける条件反射の研究から導入されたものである。

条件づけによる実験神経症の形成は、逆条件づけによって神経症の除去・治療に利用

イギリスの精神分析学者ジョーンズE. Jornes(1879―1958)は、ウサギを恐れていたピーターという少年に、彼が友達と食事をしたり、遊んだりするリラックスした状態の時にウサギを見せる等をし、次第にウサギへの恐怖感を軽減することに成功した。実験神経症の形成の研究は、逆に神経症の消去についての行動療法にも多くの知見を提供している。

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子供の発達

M・マーラーの乳幼児期パーソナリティ発達理論

こんにちは!来月はクリスマスか。。早いですね。
さて、今日も寒い雪の中勉強してまいりましたので、メモ。
M・マーラーの乳幼児期パーソナリティ発達理論(分離・個体化の過程)

1.未分化期(1~4ヶ月)

1-1.正常な自閉期(1~2ヶ月)

幻想的な全能感を有する胎児期の名残を残した時期で、自分と外界の区別がなく自分の精神世界に内向して自閉的な状態となっている。 まだ極めて未成熟な新生児は、外部の刺激や苦痛から自分を守る為に『正常な自閉期』を持ち、外部刺激に対して明瞭な反応を示さないことが多い。

1-2.正常な共生期(3~4ヶ月)

分離・個体化期を迎えるまで赤ちゃんにとって母親と自分は一心同体の存在であって、自己と母親の境界線は存在せず自他未分離の感覚に覆われている。 母親は自分に安心・食料・保護を与えてくれる欲求充足的な存在であり、母親と自分を二者統一体と認識し、共生圏において融合しているように感じている。

2.分離・個体化期(5~36ヶ月)

2-1.分化期(5~8ヶ月)

自己と母親が異なる存在であると認識し始めると同時に、自分の母親と他の母親を見比べれるような態度を取り始める。 共生圏における自他未分離の融合状態を抜け出して、自分と母親の違いを感じ、母親の服装・アクセサリー・持ち物などに興味を示し始めると同時に、母親と他人を区別して人見知り行動を取り始める。

2-2.練習期(9~14ヶ月)

母親がいないとまだ分離不安を示すが、身体運動能力と外界の認知能力が発達してくるにつれて、母親の側を少し離れて自由に行動し始めるようになる時期である。 外界に対する好奇心や興味が強くなり、外界の探索行動が多く見られるようになってくるが、母親と離れている不安や寂しさが強くなると再び母親に戻って『情緒的エネルギーの補給』を行ってもらう。 正に母親は子どもにとっての精神的な『安全基地』の役割を果たす事になるのである。
そのため、子どもの不安や寂しさを感じさせる信号に対して、母親の微笑みや優しい声かけ、抱擁などの情緒的応答性が重要になってくる時期でもある。 また、この時期には、母親に対する愛着や関心を移行できる人形やおもちゃなどの『移行対象』が出現してくるが、この移行対象の出現も特徴的な現象である。

2-3.再接近期(15~24ヶ月)

母親から分離しようとする意識『分離意識』が高まるのだが、完全に分離しようとすると『分離不安』が強まってしまうという矛盾した感情を内在する時期である。 そのため、いったん分離しかかっているのに、また安全基地である母親に舞い戻ってくるという『再接近』の行動が頻繁に見られる。
母親に再接近して『しがみつき』の行動を取ることで『母親からの見捨てられ不安』から自分を防衛するのだが、今度は接近し過ぎて、母親と自分の境界線がなくなって主体性が奪われるような『母親から呑みこまれる不安』を感じるようになる。
『見捨てられ不安』が強まると『しがみつき』を見せ、『呑みこまれる不安』が強まると『飛び出し』を見せるのだが、このように相対立する矛盾した感情を同時にもっていることを『両価性』という。
この再接近期は、母親の側が子どもに対してどのような態度や反応を見せるべきなのか悩むことが多く、情緒的対応が難しくなってくるが、自然に子どもがやってくれば優しく抱きしめて励ましてあげればよく、一人で外界に遊びに出るときは静かに優しく見守っていればよいだろう。
子どもの側も、それまでの共生的な母親との関係に終わりを告げる時期なので、幻想的な全能感が傷つき、自尊感情が揺らぎ易い時期なので、時に『再接近期の危機』と呼ばれるような不安反応、混乱、癇癪、わがままなどを見せることもあるが、多くは一過性の情緒的葛藤なので特別な心配は必要ない

2-4.個体化期(24~36ヶ月)

とりあえずの母親からの分離が成立し、母親と一定時間、離れていても大丈夫な個体化の能力を確立する時期である。 自律的な自我機能を獲得し、ある程度、母親不在の分離不安への耐性ができてくる時期である。

3.情緒的対象恒常性の確立期(36ヶ月以降)

精神内界に『自己表象』と『対象表象』が明瞭に区分して確立し、それぞれの表象は善悪の両面を兼ね備えていて全体的な統合性をもつようになってくる。 心の世界に自分や母親・父親、他人のイメージ(表象)を思い浮かべられるようになり、そのイメージはある程度の恒常性と持続性を持っている。
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これをよく理解しておくと、子どもを育てる時に子供のとる行動についても
「あ~なるほどね」って思えて、「何で言う事聞いてくれないの!?」とか「私のやり方(子育て)が間違っているの?」などといったストレスから逃れられるかもしれません。
また、今のお子様にとって何が必要なのかをよ~くキャッチして行動に移せるといいかもです^^
まだお子様を授かっていらっしゃらない方、これから子育てです!という方は是非参考になさってください。